プラス思考はなかなか難しい
ある会社の.net社内報に「プラス思考のススメ」という原稿が載った。困難にあたってもいつも前向きに考えよう・・・という内容で、まことにそうありたいものだとは思う。この原稿にケチをつける気はまったく無いけれど、しかし・・・と、小生は考えた。この社内報には「ご隠居の独り言」という小生のコーナーも連載されているので、次の号で、いささか異論を唱えた。
曰く、
「確かにその通りではあるが、これを読んで“なるほど”と共感できるのは、元々プラス思考の人に違いない。そうでない人、根がマイナス思考の人は、“どうしても悲観的な場面も考えてしまいがちです”となるはずだ」と。
そこで続けてマイナス思考、悲観思考の人のために言葉を続けた。
「悲観思考、おおいに結構。小生はもともとネクラ応援団でもある。ただし、悲観ばかりでは文字通り悲しい局面になってしまう確率が高い。どうするか。それはなんと[悲観をとことん突き詰める。そして悲観の果てを受け止める覚悟をする]ということなのである。このことで自分の立場を失うかもしれない。友達が去っていくかも知れない。あれも起る、これも発生する・・・。それらの事態になろうとも、それをいったん覚悟した自分をいとしいと考えて許してやる。そういう受け止めが大切である」
「さて、いったんそういう覚悟(最悪を受け止める覚悟)をして目の前の事に誠意であたれば、意外や局面が開けてくるものだ。そうして「覚悟した最悪」よりははるかにましな結果になったりする。
“そんなに上手くいくものですか?”とまたまた悲観思考の貴方へ。
唯一つ、悲観の先を突き詰める覚悟さえ出来れば・・・という条件が要るという事を繰り返しておきましょう。小生もそういう訓練を自分に課して、やっと少したじろがなくなっているのですぞ」
こういう内容。これを読むネクラ派の貴方も、悲観の果てを突きつめる旅に出よう。
悲観思考そのものは悪くないことなのだ。
そう、ちょっとした「捨てる心意気」があればよい。
(あのボストンレッドソックスの大投手、カート・シリングは人も知る悲観思考派です。)
では、続きはまた。